苺 価値は様々
さて。
そろそろ、動き出して良いころだろう。
暇ではないが、体はなまる。
歯磨きも可愛い植物たちを眺めながらできるほど時間がある。
読書して、お散歩して。
料理して、寝る。
幸せといえば幸せな日々である。
元よりインドアな人間だ。
たまに見つける可愛い子をお迎えして。
クレマチスなどは捨て置かれていたとは思えないほど元気だ。
シークワサーは、地元の園芸店だと似たような株が半値だったので落ち込んだ。
レモンのリスボンが横にあったので、ヤケクソ気味でお迎えした。
シークワサーもレモンもたくさんの小さな実が付いているが、どれくらいが残るのだろう。
悔しい気分が治らないので、シークワサーは八重咲きジャスミンとともに明日お迎えに行こうかしら。
そして私の前に鎮座するこれは多分、今年最後の苺だろう。
加工用の苺が箱で2箱ある。
ただただヘタをとって切って砂糖をまぶす。
もくもくと30分。
綺麗な模様になったではないか。
煮込むこと30分。
ジャムチャレンジ決行。
底に着く前に水の中でジャムが解けてしまう。
追加で加熱10分。
再度チャレンジ。
今度は底まで球体のまま辿り着いた。
落とすジャムは2滴以上。
一つは妖精さんの分だ。
頭おかしい奴と言われようが、ヨーロッパでこの妖精の分という言い分を聞いた時、私もジャム作る時はやっておこう!と思った。
昔から言い伝えられているものには訳がある。
と半ば信じている。
うなぎと梅干しの食べ合わせのように、時の将軍が食べすぎな庶民を戒めるためとかあるかもしれないが、『妖精さんの分』は気に入っている。
幸せの四つ葉のクローバー
幸せの馬蹄。
夜切る爪は『鷹の爪』。
家族が帰る前に揚げ物をするときは、無事に帰るようにコップに水を張る。
大抵はジンクスとして人を主体としている。
妖精さんの分はイタズラされない対価なのかもしれないが、喜んでくれるなら良いと思う。
煮沸消毒した瓶にジャムを詰める。
空気圧を利用して密閉。
瓶ごと沸騰させたあとに逆さまにならべていく。
1〜2年は無添加でも保存がきく。
今年は次々持ち込まれるのでかなりの量ができた。
朝のヨーグルトはしばらく苺味だ。
そして今、瓶の蓋があかなくて困っている…空気圧で閉めたなら瓶ごと温めて中の空気を膨張させてみようか。
人を頼るより、可能性を探ろう。